世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「今なら見逃してあげる。それでもまだ嘘をつき続けるなら、その時はどうなるか分かってるよね?」


……っ。


叔母があたしにしてきた様々な仕打ちが蘇ってきて、とてもじゃないけど嘘をつくことはできなかった。


ポケットからスマホを取り出し、叔父に差し出す。


その時、叔父の手があたしの指に触れた。


冬だというのにベタついた気持ちの悪い手。


こんな手に今から撫で回されるんだ。


「……んだよ。さっきの深景って男の連絡先ねぇじゃん。消そうと思ったのに」


…そっか。


あたしと深景さん、連絡先交換してないんだった。


深景さんのスマホがハッキングされたときにあたしの存在がバレると危ないからって、頑なに教えてくれないんだよね…。
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