世界が終わるとき、そこに愛はありますか

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翌日から、地獄は始まった。


足枷が邪魔で寝付けなかったまま、朝が来て叔母の声が降り注いだ。


「朝ごはんよ」


地下室に降りてきたのは叔母だった。


お皿にのっているのは二本のエビフライのみ。


「…あたし、甲殻類アレルギー」


こういうことは今までに何度もあった。


この度にご飯が食べられなくて、空腹を感じていたけど、学校にいけば好きなものを食べられたし、コンビニにだって行けた。


でも、今は違う。


与えられたもの以外は食べれない。


「アレルギーなんてただの好き嫌い。自分の弱さよ。食べてみれば克服できるわ」


「…っ」


アレルギーがただの好き嫌い…?


無理やり食べさせられて、何度も苦しい思いをしてきた。


命にかかわることはなかったけど、あんなことが続けばそのうち死ぬ。


アレルギーは弱さなんかじゃないのに…っ。
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