世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「食べ終わった頃にまた来るわ。残したら許さないから」


あたしにお皿を押し付け、叔母は地下室を出ていった。


「食べれるわけないじゃん…」


アレルギーの苦しさはアレルギーを持ってる人にしか分からない。


こんなものを食べるぐらいなら、数日ご飯抜きの方がマシだ。


母親と住んでいた頃はそうたったんだから、慣れたもんだ。


そうやって一口も食べずに放置していたら、案の定、戻ってきた叔母に棍棒で殴られた。


これがしたいがためにエビフライを持ってきたんだろう。


簡単に弱みを見せてたまるか─っ。


痛い、やめてって泣き叫ぶと逆効果なのは過去の経験で分かっている。


顔に出さずに耐えるだけ。


あたしは人形。


ストレスの捌け口にされる汚い人形だ。
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