世界が終わるとき、そこに愛はありますか
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「雪花ちゃんっ。今日1日こんな汚い所で頑張ったご褒美タイムだよ」
おそらく夜。
帰宅した叔父がパツパツのスーツ姿で地下室に入ってきた。
今日は一口も飲み食いしていなくて気持ち悪い。
頭がガンガン痛くて、意識も朦朧としている。
「どうしたの?なんでそんなに嫌そうな顔するの?ボクが抱いて上げるんだよ?喜ばなきゃ」
ギシ…ッ
叔父が乗った重みでベッドが軋む。
「あ、待って。カメラをセットしないと」
叔父は軽い口調で言いながらカメラに駆け寄る。
そして、カタカタとパソコンもいじる。
「…カメラ……パソコン……」
逃げなきゃ…
こんなところにいたら人生が終わる…。
今ならアイツはパソコンに気を取られてる。
逃げるなら今しかない…。
音を立てないようにベッドを降りようとしたあたしを、叔父は冷ややかな眼で見ていた。