世界が終わるとき、そこに愛はありますか
俺がキーボードを打っている間に、深景は俺のスマホを取り出して電話に応答した。


『もしもし涼くん!?』


スピーカーにしてるわけでもないのに、愛結ちゃんの大きな声が聞こえる。


「雪花は間違いなく生きてる。だから安心しろ。そのうちまた会えるから。だから今日はもう大人しく家に帰って、涼からの連絡を待て」


愛結ちゃんたちには申し訳ないけど、何があったか話すことはできない。


ただ、雪花ちゃんは生きてるってこと以外は何も…。


生きてるって言ってもこんな姿じゃ…って感じもあるけど、生きてくれてるだけで俺は救われる。


「どんな人間とつるんでいようと、雪花は雪花。俺はそれしか言えない」


…きた。


位置情報が分かった。


そう視線を送ると、深景は「じゃあな」と言って電話を切った。 


「ここ…あいつの家だな…。でも、あの家にこんな部屋はなかったはずだ」
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