世界が終わるとき、そこに愛はありますか
車のキーを掴んで立ち上がった俺の腕を深景がキツく掴む。


「なんだよ。早く行かせろよ。1秒だって無駄にできないんだよ」


「それは俺もわか……」


深景の語尾が消え、その視線の先には例の生配信。


汚ならしいオッサンが入ってきた。


『いや…っ来ないで……もぅやめて……』


『雪花はずーっとボクのお人形なんだよ?永遠にボクだけのもの。可愛がってあげるからねっ』


ベッドから降り、部屋の隅まで逃げようとする雪花ちゃんの背中を、オッサンが蹴り飛ばした。


「くっそ…」


俺の腕を掴む深景の力が強くなる。


『逃げようとしたって無駄だって、何回も言ってるじゃん。どうして逃げるの?ボクのことが嫌いなの?』


『いや……助けて…』
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