世界が終わるとき、そこに愛はありますか
深景さんは話すことを躊躇ってるような表情だ。


「…言いにくいことなの?」


「いや…お前の母親をどうするかって話」


…あたしの母親をどうするか?


「どういう意味?」


話が見えてこない。


「簡単に言うと、復讐するなら手伝うって提案だ。すべての元凶は母親なんだろ?」


復讐…。


憎き憎き母親に、復讐…。


「できることならしたいよ。でも、こんなこと言い出すなんて深景さんらしくないね」


深景さんは公私混同をしないイメージだった。


あたしの私的な復讐に付き合ってくれるなんて。


しかも、深景さんからの提案で。


「……復讐するんだな。後悔は?」


「後悔なんてしない」


「なら決まりだ」


こんなトントン拍子に復讐が叶うなんて。
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