世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「また唯のこと考えてるだろ」


「だって…」


こんなに近くにいるのに届かない。


こんなに近くにいても、彼は違う人を想ってる。 


少なくとも、あたしに向くことはない。


「今日と明日はお前だけのための時間だから。心の傷が少しでも癒えたらなって思って危険を承知で出掛けてる。俺の気持ち、わかって?」


深景さん…。


「この前の件は、俺が自暴自棄になってやかったら起こらなかった。〝俺が守るから〟ってずっと言ってきたくせに、俺のせいで雪花が…」


自分を責めるような乾いた目でポツポツと言葉を溢す。


深景さんは何も悪くないのに…。


「あのケーキ、俺と一緒に食べようとしてたんだろ。プレートも見た。あの日、どんな思いで帰ってきて、どんな思いで家を出ていったのか想像したら…」
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