世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…お姉ちゃんも、そんな風に思ってたんだ」


いつもあたしを助けてくれて、苦しい生活の中でも笑顔だったお姉ちゃんが、あたしと同じようなことを思って生きていたんだ。


…知らなかった。


何も知らなかった。


気づいてあげられなかった。


お姉ちゃんは強い人間なだって勝手に決めつけて憧れて、頼りきっていた。


本当は違ったんだ。


…情けない。


あたしは…何にも恩返しできなかった上に、救いの手をさしのべようとすらしなかったんだ。


お姉ちゃんはあたしを救ってくれたのに。


…最期の最期まで、あたしはお姉ちゃんを救えなかった。


むしろあたしが殺した。


もし、あの男がいなければ、あたしはお姉ちゃんに恩返しできたかもしれない。


もっと感謝の気持ちを伝えて、姉妹で助け合って生きていけたかもしれない。


まだまだお姉ちゃんに話したいこと、相談したいこと、たくさんあった。
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