世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「嘘言わないで。お姉ちゃんはそんな人じゃない」


どうせ、この人がデマを広めたから業界に変な噂が広がったんだ。


お姉ちゃんは汚いことは絶対にしない。


それはあたしが1番わかってる。


「あらそぉ?美しいね、姉妹愛って」


「華、もうやめろ。さっさと出ていけ」


深景さんが華さんの腕を掴んで立ち上がらせたけど、華さんは口を止めなかった。


「そーいやさ、明日が命日だよね。アンタの大好きなお姉さんの」


…え……?


「あ、さすがにこれは言っちゃマズかったかなぁ?心の傷、エグっちゃった?」


…お姉ちゃんはクリスマスの日を最後に失踪した。


でもそれは…あくまで失踪。


「お前、いい加減にしろ」


深景さんが、彼女を引きずりだそうと強引に腕を引く。


「…莉愛が殺されたのも業界じゃ有名な話だよ?枕して騙した客に逆恨みでもされたんじゃない?ザマァ見ろって感じだよねー」
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