世界が終わるとき、そこに愛はありますか
深景さんはそう言って車の扉を開けた。


「待ってよ…っ」


「身勝手なことを言ってる自覚はあるけど、全部忘れてくれ。お前の復讐心を止めたかっただけだから」


なんでいきなりそんな冷静に戻れるの…?


あたしの心を乱すだけ乱して、結局放置。


「…今、あたしのことを傷つけてるって自覚はあるの?あるんでしょ?だったら、お願いだから離れていかないで!」


「……今まで通りの俺たちでいよう。それが一番いい」


〝お前はしばらくここで待ってろ〟


冷たく言い残して、彼はロッジに入っていってしまった。


まだまだ言いたいことがあるのに…っ。


それに…深景さんはいつからあたしのことが…?


玄関口にあるあのピアスが無くなってたなって、いつだっけ…?


もしかして、あたしが〝信用できない〟って電話で涼に話した後に深景さんが荒れてたのって…。


あのときにはもう、あたしのこと…。
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