世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「ふーん。やっぱ会長ともなると思考が違うな」


涼はそう言って笑った。


こんな怖そうな深景さんに物怖じせず対等に渡り合っているこの人は何者なんだろう。


知りたいけど、深景さんの言う通りあたしは関わらない方がいい。


…でも。


ヤクザと知り合う機会なんてこの先もうないだろう。


このチャンスを無駄にするわけにはいかない。


覚悟を決めて危険な道を進むか、別の道を探すか。


後者だときっと遠回りだ。


もうこれ以上待てない。


早く、すこしでも早く、復讐がしたい。


たとえ命の危険があろうとも─。


「あたし、お姉ちゃんを殺した犯人に復讐するって決めてるの。だから、協力してほしい」


これでいい。


あたしは戦う。


危険から逃げない。


絶対に復讐してやる。
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