世界が終わるとき、そこに愛はありますか
だけど。


「断る。この世界はお子様が立ち入れるような甘い世界じゃない」


深景さんは厳しい人だった。


「ただの高校に何ができる?お前に何ができんだよ。何の痕跡も残ってないことからして相手はプロだ。復讐なんか不可能だ」


冷たい目であたしを見つめ、その氷のような視線であたしを絡めとる。


その視線に耐えきれず、窓の外に目を向けると大粒の雨が降っていた。


今夜は曇りの予報だったのに。


「答えられないってのが答えだ。お前はもうこの件に関わるな。それがお前のためだ。いいな」


「…嫌だ。あたしは絶対に自分の手で犯人を葬り去る」


あたしは復讐だけが生きがいなんだ。。


復讐が不可能なんだったらあたしは死ぬ。


こんな世界、何の未練もないんだから。


「あたしは命を懸けてる。生半可な気持ちでやってるんじゃない」
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