世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「待ってよ…奴隷って何…。まさかこのアタシが誰かにコキ使われるっての?」


「あぁ。お前以外、他に誰がいんの?」 


死ぬより苦しい罰…か。


たしかに、その方がいいのかもしれない。


何もかも深景さんの言う通り…。


「…さっきはごめんね、ザキさん。あたし、車に戻ってるから」


もうこの部屋に用はない。


あたしの復讐は終わった。


復讐の“序章”は終わったんだ。


さようなら。


憎き憎き女。


奴隷として生き地獄を味わえばいい。


〝雪花、助けて…!〟


母親の最期の声を鉄壁で遮断し、あたしはロッジを後にした。

 
来たときよりも美味しい空気を胸一杯に吸い込んでから、あたしは後部座席に横になったのだった。
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