世界が終わるとき、そこに愛はありますか
別に命が惜しいわけじゃない。


アイツさえ殺せればそれでいい。


たとえ自分も死のうとも、アイツが地獄に墜ちてくれればそれでいい。


「…深景さんにあたしの気持ちが分かる?わかんないよね?だからそうやってあたしの生きがいを奪おうとするの。何も知らないクセに」


あたしがどれだけお姉ちゃんを慕っていたか、どれだけ頼りにしていたか。


「唯一の肉親を突然奪われた。

お姉ちゃん以外誰にも頼れないのに、お姉ちゃんはいなくなった。

大好きなお姉ちゃんともう2度と会えなくなった。

最後にした会話なんて覚えてない。

さっき聞かれた時は言わなかったけど、お姉ちゃんが殺された翌朝に犯人から電話がかかってきた。

人の命を奪ったクセにヘラヘラして、悪びれる様子もなくて。

殺したって平然と言ってきた。

…あたしの気持ち、わかる?

お姉ちゃんを殺した犯人から直接電話がかかってきて、自白されたんだよ?

しかもニタニタ笑いながら。

許せるわけないでしょ?

復讐したいに決まってるじゃん。

…深景さんもヤクザなら人を殺すのは簡単なことなんだろうね。

だから一生あたしの気持ち、わかんないんだろうね」
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