世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「なんで分かってくれないの?好きな人が銃撃戦で怪我したかもしれないんだよ?死んだかもしれないんだよ?そんなときにじっとしてられないよ」


連絡が取れない人を待つあのツラさを味わいたくなかった。


何もできず、すべてが終わってから後悔するあのツラさを。


お姉ちゃんの最後のメッセージを受け取った後、無我夢中で探し回ればよかった。


家から電話をかけるだけじゃなくて、どこでもいいから探せばよかった。


もしかしたら見つかったかもしれないのに。


遺体すら見つからず、あたしは今だにお姉ちゃんに会えていないんだ。


あんな苦しさ、もう懲り懲りだった。


「なんでド素人のお前に心配されなきゃなんねーんだよ。迷惑なんだよ。そういうの」


…迷…惑…。


あたしのあの不安な気持ちはなんだったの?


いてもたってもいられない、あの胸騒ぎはなんだったの?
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