世界が終わるとき、そこに愛はありますか
淡々と話したつもりでも語気が荒くなり、最後には深景さんを無意識に睨み付けていた。


「……ごめんなさい。八つ当たりして」


深景さんは何も悪くない。


あたしを危険から遠ざけるために言ってくれてるだろうことは頭では分かってる。


でも、お姉ちゃんのことになるとあたしの心は制御できなくなってしまうんだ。


「……俺と関わると本気で危険な目に遭うかもしれない。その覚悟はあんのか?」


深景さんはあたしの八つ当たりも謝罪もかわし、ジッと重たい視線を突き刺してくる。


「…あるよ。もちろん」


窓の外の雨が激しさを増す。


車内には土砂降りの雨音とウィンカーの音だけが聞こえてくる。


「…雪花ちゃん。それ本気で言ってる?コイツ、敵多いからマジで狙われるよ?わかってる?」
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