世界が終わるとき、そこに愛はありますか
深景さんに対しても、弄ばれていることに気づかず本気になった自分にも、イライラする。


彼が最低な男だってもっと早く気づくべきだった。


思い返せば、初めて会った日から涼はあたしに忠告してくれていた。


あの忠告をちゃんと聞き入れていれば、今こんなことには…っ。


だいたい、ずっと想っていた元カノが殺されたのに、なんであんな冷たい態度がとれるの?


それに…。


△△区の港付近の倉庫って……。


深景さんが教えてくれた情報によると…。


〝悪いけど、俺はお前には本気になれない〟


違う。


こんなことを思い出したいんじゃないのに。


さっきの言葉が頭から離れてくれない。


「あぁもうっ」


唯さんのことを考えたくても、頭が上手く働かない。
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