世界が終わるとき、そこに愛はありますか
さっきまでのおどけた口調からワントーン落ちた低めの声で問いかけられ、一瞬言葉に詰まってしまった。


「…答えらんないのが答えだろ。お前の覚悟はその程度のもんだったってことだよ」


「違う。あたしは─」


「何も違わない。お前は炫聖会(けんせいかい)の汚さを知らないからそんなことが言えんだよ」


深景さんはそう言い顔をしかめた。


涼も渋い表情のままあたしを見つめている。


だけどここで折れるわけにはいかない。


「お願い。あたしの復讐を手伝って。何でもするから」


せっかく裏の世界の人と関わることができたこの好機は逃せない。


「雪花ちゃん、あのね?〝何でもする〟って軽々しく言っちゃダメなんだよ。この世界は」
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