世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「はぁ…」


彼を嫌いになりきれない自分に腹が立つ。


どんなに最低な男でも、彼に助けられてきたのは事実。


いつもいつも助けてくれる。


あたしに必要な言葉をくれて、温かい手で頭を撫でてくれて…。


忘れなきゃ。


あんなムカつく男、忘れた方が身のためなのに。


もうあの家には帰れない。


帰りたくもない。


だけど、これからどうしよう。


数日ぐらいならホテルに泊まれるけど、ずっと泊まってられるようなお金はない。


犯人探しよりもそっちの問題を先にどうにかしなきゃ…。


ずっとここにいるわけにもいかないしなぁ…。


愛結か奈津に泊めてもらうくらいしか思いつかない。


でも…図々しすぎるかな…。


どうしよう…。
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