世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「付き合ってんのに、キスすらさせてくんなかった」


腕を握る力がグゥゥと強くなる。


「りょ、涼、痛いって。離してよ!」


「今度こそ逃がさない」


もしかして…あたしをお姉ちゃんだと思ってる…?


「あたしは雪花だよ?ねぇ、涼!」


「分かってるよ?そんなことは。茉莉愛は死んでるんだから」


光を宿さない冷たい眼。


氷のように冷たい口調。


「わ…わかってるんなら…手を…は…離してよ…」


声が震えて上手く話せない。


怖い。


涼は…狂ってる。


このままここにいたら何されるかわからない。


怖いよ…っ。


「雪花ちゃんってね、けっこう茉莉愛に似てるんだよ。話し方とか、考えることとか。だから、雪花ちゃんなら茉莉愛の代わりになるかなって思ってね」
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