世界が終わるとき、そこに愛はありますか
お姉ちゃんの代わり…?


「あたしはあたしだよ…。お姉ちゃんとは違う」


ドンッ


トイレのドアに押し付けられ、涼の顔が近づいてくる。


「涼…っ。やだ…!!来ないで…」


「なんで?なんで嫌がるの?今まで仲良かったじゃん俺ら。急に嫌がられても困るんだけど」


キョトンとした表情を浮かべる涼が怖い。


自分が悪いことをしてる自覚がないんだ。


「あたし…涼がそんな人だと思わなかった…。あたしが深景さんに怒られて泣きながら電話した日、覚えてる?」


「覚えてるけど、それがなに?」


「あの日の夜、涼が本気で深景さんに怒ってたよね。あれはあたしのためだと思ってた。でも…違ったの?」


涼は、あたしのことが好きなんだと思ってた。


なのに、深景さんが好きなあたしを支えてくれて、手助けしてくれる、優しい人だと思ってた。
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