世界が終わるとき、そこに愛はありますか
大晦日の町並みはどこか賑やかだ。


クリスマスの日に見た眺めとはまた違って見える。


隣に立つ男が違うからだろうか。


「藤堂。お前が銃を扱えるとは思えない。俺でも手しか撃てなかったんだ。お前には無理だ」


「…浅香さんは唯さんの仇打ったじゃん。だったらあたしもいいよね?」


あたしはもう覚悟を決めている。


「あの日なんで俺が助けに行けたのか、本当に聞かなくていいのか?」


そう。


涼に殺されかけたあの日、助けに来てくれたのは浅香さんだった。


あたしが意識を失ってすぐ、涼が練炭を焚く前に、浅香さんが乗り込んできて、助けてくれたみたいだ。


気がついたら浅香さんの家にいた。


涼のことは射殺したみたいだ。


涼はただのストーカー。


ストーカーのことが唯さんにバレたから殺したそうだ。


お姉ちゃんの件とは無関係だった。
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