世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「おい、聞いてんのか?」


「聞いてる。無視してるだけ」


唯さんは浅香さんを信用していいって書いてるけど、あの写真の件を忘れたとは言わせない。


まだ完全に信用することはできない。


信用したって、どうせ裏切られる。


既にあたしは二人に裏切られてるんだから。


「なら独り言を喋らせてもらおうかな」


「……勝手にすれば」


ロッジまでの短い道のりで、浅香さんは手短に語った。


「龍崎をお前のところに向かわせた後、龍崎が莉愛のストーカーだってことに気づいたアイツは、血相を変えて俺に連絡を寄越してきた。

わざわざ組長づたいに、だ。

その日の朝、俺らはお互いを唯殺しの犯人だと疑って2発ずつ撃ってる。

その後に連絡を寄越してくるんだから、相当だよな。

んで、俺に〝唯を殺したのは涼だ。雪花と顔を合わすわけにはいかないから、助けに行ってやってくれ〟って頭下げたよ。

あの五十嵐が。

俺を毛嫌いしてたアイツが」
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