世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…雪花さんが引き金を引いた瞬間、俺も引きますから」


ザキさんがあたしを睨む。


「おい、藤堂。お前、本気か?素人が撃っても五十嵐には当たんねぇよ。手前の部下に当たるだけだ」


「……本気よ」


手が震える。


復讐が終わるんだ。


なのに、嬉しくないのはどうして?


胸が痛いのはどうして?


「あぁ、それと、もう1つ俺がお前についた嘘がある」


「……何」


長い長い沈黙。


世界がひび割れそうなくらいピリピリした空気。


「…叔父に拉致されたお前を助けに行ったのは俺じゃない。涼だ。俺はお前を見捨てた。悪いな騙して」


…なにそれ。


あれ…深景さんじゃなかったの…?


でもなんで今それを…。


「お前……」


浅香さんがポツリと呟いて銃を下ろした。
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