世界が終わるとき、そこに愛はありますか
家に帰ったら、魔法が解けてしまいそうで。


今日のこの出来事はすべて夢で、夢が覚めたらすべて忘れてしまいそうで。


「1つ…いや、2つ言い忘れてた。

さっき話した新島華、唯姉妹と茉莉愛は仲が悪かった。

その華ちゃんは、炫聖会のトップ西郷寛人(さいごうひろと)とデキてるって話もあった。

それと、西郷の右腕…かなりのキレ者が1人いるんだ。

名前は浅香琥太郎(あさかこたろう)。

ヤツには気をつけろ。

これが浅香琥太郎の写真ね」


涼が差し出してきた写真に映る男は、漆黒の長髪をなびかせ、銀色の眼鏡の奥に細くて鋭い目を隠していた。


前髪で顔がほとんど隠れているけど、異様な雰囲気をヒシヒシと感じる。


「わかりやすい見た目っしょ?

もし見かけたら逃げた方がいいよ。

浅香は深景と肩を並べられるほど能力が高い。

年齢もほぼ同じ。

なのに暁組の若頭は深景だ。

浅香からすりゃおもしろくはないよね。

西郷以上に深景を敵視してるのがこの浅香だ。

アイツは人を殺すことを屁とも思わない。

だから本当に気をつけて」
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