世界が終わるとき、そこに愛はありますか
**
「ただいま帰りました…」
必要のない進路講演会を聞かされた後、帰宅したあたしを待ち受けていたのは、汚ならしいサンダル。
ベランダに置き放しているような土色で年季の入ったものだ。
こんな汚ないサンダルはこの家にない。
叔母も叔父も綺麗好きだ。
こんなサンダルが置いてあったら発狂するだろう。
「─ふざけないでちょうだい!!」
リビングから叔母の金切り声が飛んできた。
こういうときの叔母と顔を合わせると100%酷い目に遭う。
わかってるけど、自分の部屋に行くにはリビングを通らなければいけない。
「…ふぅ……」
グズグズしていても仕方ない…か。
そう、意を決してリビングに入ると─。