世界が終わるとき、そこに愛はありますか
初めて自分の気持ちを話した。


初めて母親に楯突いた。


だけど。


「へぇ。アンタって可哀想な子だね。そんな小さい過去をいつまでも引きずって。茉莉愛が死んだのだって随分前でしょ」


……あぁ、この女は狂ってるんだ。


何も伝わらない。


あたしが懸命に話したことの1%だって伝わらない。


「…もう…いいよ。お願いだから帰って。二度とあたしの前に現れないで」


爪が食い込んだ手のひらが痛む。


「この子がカネくれるまでアタシはここにいるわよ?アタシに会いたくないならアンタが出ていけばいーんじゃない?」


……っ。


ダメだ。


生理的に受け付けない。


憎しみが止まらない。


今ここに刃物があったら、間違いなくこの憎き女をメッタ刺しにしているだろう。
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