世界が終わるとき、そこに愛はありますか
恐怖なのか、安堵なのか。


それともあたしはここで死ぬのだろうか。


あたしが通ったアスファルトはドス黒く染まっていた。


「雪花さん!?」


遠退く意識の中、聞いたことのある声が響く。


「雪花さん!しっかりしてください!」


声の主に抱き起こされる感覚があり、うっすら目を開くと、ザキさんと目が合った。


「ザキ…さん…っ」


見知った人と出会えた安心感からだろうか。


涙が滝のように溢れ出てくる。


「…大丈夫。大丈夫ですから」


道端で泣きじゃくるあたしの背中を優しくさすってくれる優しさに、また涙が止まらなくなる。


「とりあえず救急車を呼ぶので、それまでここで─」


「呼ばなくていい…。呼んだだら叔母が怒るから…っ」
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