世界が終わるとき、そこに愛はありますか
あの人は、世間体を極端に気にする人だ。


救急車なんて呼んだら…っ。


「……わかりました。じゃあ…ちょっとだけ待っててください」


ザキさんは困ったようにそう言い、どこかに電話をかけ始めた。


ズキズキとふくらはぎが疼き、チラリと傷口を見ると、バックリ傷が開いていた。


それを見てしまうと、より痛みが増してきて、経験したことのない痛みに吐き気までしてきた。


「う…っ」


気持ち悪い…っ。


とにかく全身が痛くて痛くて仕方ない。


「五十嵐さんが車でここに来てくれることになりました。とりあえずその車で病院行くか、どうするのか、話しましょう」


深景さんが…。


…こんな再会は望んでなかった。


もっと違う形で再会したかった─。
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