世界が終わるとき、そこに愛はありますか
それなのにあたしはまるで世界から切り離されたよう。


「…教えてよ…っ。なんでなの…?」


お姉ちゃんは、いつもいつも優しくて、明るくて、愛情をいっぱいあたしに向けてくれていた。


決して誰かに恨まれるような人じゃなかった。


なのにどうして…?


『それは教えらんないなぁ。でも1つ言えるのは、お前が昨日電話をかけてこなければアイツは今も生きてたよ。きっと。じゃ、もうお前に用はないから。二度とかけてくんなよ』


ブツッ


「…切れた」


スマホを握りしめたままその場から動けなかった。


あたしが電話をかけなければ生きてたって何…?


どういうこと…?


…あたしのせい…なの…?


「ぅ…うそ…だよね…?」


そんなわけ…っ。


でも…もしお姉ちゃんが犯人から身を隠し、こっそりあたしにメッセージを送ってきてたんだとしたら…?


お姉ちゃんのスマホがマナーモードになってなかったとしたら…?


「ぁ…あ…」


嘘だ…。


そんなのうそだよ…っ。
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