世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「…そ。まぁとりあえず病院だな」


深く言及してこないところに優しさを感じる。


冷たいのか温かいのか分からないこの独特の空気が好きだ。


「病院高いからいいよ。保険証ないし。放っといたら治る」


全額負担なんてとんでもない。


叔母に何をされるか分からない。


「は?その傷で何言ってんだよ」


「……でも」


母親が訪ねてきただけでもストレスなはずなのに、これ以上叔母を怒らせたくない。


この傷の上にさらに何かされる方がツラい。


「金のことは心配しなくていーから。お前はもっと自分を大事にしろ」


〝自分を大事に〟


そういうアドバイスはよく聞くけど、どうやったら自分を大事にできるの?


あたしには耐える以外の選択肢はない。


そんな状況でどうやって自分を大事にすればいい?
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