世界が終わるとき、そこに愛はありますか
不思議なもので、本能がこの人は頼っていい人だって告げている。


深景さんにとっては何ともない出会いだったのかもしれないけど、あたしにとってあれはきっと運命の出逢いだったんだ。


今日たまたまザキさんが通りかかってくれたのも、きっと必然。


深景さんはあたしを絶望の底から救いだしてくれる人なんだ。


「…話、長くなるよ?それでも聞いてくれる…?」


「当たり前。ゆっくり話せばいいよ。俺はずっと隣にいるから」


そっと重なりあう手。


深景さんの大きな手があたしのガリガリの手を包み込む。


温かい。


きっと深景さんは温かい人なんだ。


だから大丈夫。


安心して話せばいいんだ。


「…私ね、物心ついたときから虐待されてたの」
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