世界が終わるとき、そこに愛はありますか
お姉ちゃん以外の人に優しくされたことなんてほとんどない。


あたしは邪険に扱われる運命なんだって思っていた。


こんなあたしでも、ちゃんと人間として扱ってくれる人がいる。


それだけですごく嬉しかった。


「治療費、ちゃんと返すから。遅くなるかもしれないけど…いい?」


だから甘えすぎる訳にはいかない。


嫌われたくない。


「あぁ、それならそもそも払う気ないから大丈夫」


「…え…?」


「あぁいう奴は脅せば済むから。だからお前は何も気にしなくていい」


いくら優しくてもヤクザはヤクザってことなんだろう。


こういうことが当たり前の世界なんだ。


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