世界が終わるとき、そこに愛はありますか
**

「……ん…あれ…」


あぁ…そうだ…。


あたし昨日……。


床に散らかった下着を見て昨夜のことを思い出す。


…経験したことのない感覚だった。


初めて、合意の上でした。


初めて、あたしのことを気遣ってくれる人とした。


初めて、泣かずにした。


叔父とは違い、激しさの中にも優しさがあった。


「…お前、普段は気が強いのに、夜は完全に受け身なんだな」


スーツに着替えながら深景さんが意地悪く笑う。


「うるさいっ。恥ずかしいから言わないでよっ」


深景さんはいつものイメージと変わらずSっ気が強くて昨日はドキドキしっぱなしだった。


…まぁ、深景さんにとってあたしはただの遊び相手に過ぎないんだろうけど。
< 92 / 490 >

この作品をシェア

pagetop