世界が終わるとき、そこに愛はありますか
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そう意気込んで、何でも作れるように材料を大量に買いに行った帰り。
マンションのオートロックの前に、新作のブランド品を身につけ、高級そうなカーディガンを羽織った美しい女性が立っていた。
色素の薄い茶髪がふんわりと巻いてある。
綺麗な人だな…。
女のあたしでも見いってしまうような気品の持ち主だった。
【2415】
その女性が押したのは深景さん宅の部屋番号。
「あの、2415室に何かご用ですか?」
変な緊張で声が上ずる。
「えーっと、あなたは…深景の彼女?」
突然声をかけてきたあたしを不審に思ったのか、綺麗な眉を若干歪ませて彼女は問う。
「彼女じゃないです。居候させてもらってるだけです」