世界が終わるとき、そこに愛はありますか
「あーそうなんだ。ちょっと家の中で深景の帰り待っててもいいかな?今留守だよね?」


表情がなく、トーンだけが変に高い声でお願いされると、断るにも断れない。


きっとこの女性はものすごく怒ってる。


表情にそれが表れてなくてもヒシヒシと感じる。


「わかりました。どうぞ」


貰った合鍵でオートロックを解除し、女性と共にエントランスに入る。


高級マンションだからかエントランスはやけに広く、四方にエレベーターがありそれぞれ到着する階が違う。


けれどこの女性は迷うことなく24階に着くエレベーターに向かう。


深景さんとはどういう関係なんだろう。


「…勘違いだったら悪いんだけど、あなた莉愛の妹さん?」
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