世界が終わるとき、そこに愛はありますか
─チン


ようやくエレベーターが24階に着き、その重い扉が開く。


その先もまた左右二手に廊下が分かれているけど、唯さんは迷うことなく左へ進む。


あたしよりもこのマンションに慣れてるんだろうな。


深景さんとは何年くらい付き合ってたんだろう。


別れてからも深景さんが忘れられなくて未だに想いを寄せている人。


唯さんはいったいどんな人なんだろう。


「…まだこんなの残してあるんだ。捨てれば良いのに」


玄関の鍵を開け唯さんを中に通すと、車のキーを置いてる小皿に載っているピアスをつまみ上げる。


「…深景さんとヨリ戻すつもりはないんですか?」


「安心して。戻すつもりは一切ないから」


唯さんは強く言い切ってリビングのソファに座った。
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