キスの予約【短編】
1.運命の出会い
俺は本気で人を好きになった事がなかった。
……キミに会うまでは。
~放課後の屋上~
「…ん……ふ…っ」
「………」
「……広大?次、どうする?あたしん家、来る?」
「ん~…」
あ~早く帰りてぇ…
「あっでも~広大の部屋も見てみたいなぁ、なんてぇ」
そう言って、その女は俺の隣でわざとらしい笑顔をつくり出している。
「…なんかカン違いしてねぇ?俺、キスまでしかしねぇから。」
「え?」
「だいたい、1万程度で俺とあーんな事しようなんて、百万年早いよ?」
そう耳元でささやいて、フッと笑ってみせる。