キスの予約【短編】
2.キスの予約
―パシンッ
「ばかにしてんじゃないわよ!!」
…昨日と同じ。
まるで、一日を何度も巻き戻して生きてるような。
「こんにちはっ!!」
「っっ!!?」
…ただ一つをのぞいては。
「そんなに驚かなくても…」
「…なんでいんの?」
「来ちゃわるいの?」
「いや………別に。」
「はいっこれで今日もひとつ…」
そう言って優雨の差し出した手の平には……
「お前さ…今度は五百円で俺とキスできるとでも思ってんの?」
「えっ!これでも足りないの!?」
「あのさー…」
そう言って俺は優雨の耳元でささやいた。
「……っはぁ~!!い、い、いち万円!?高ッ!!」
「そぉ?安いでしょ。」