この物語はフィクションです
「ねえ、菜奈! 聞いて、聞いてっ!」
ある日の昼休みのことだ。教室でお弁当を食べていた私・菜奈に、友達の凛香がある提案を持ち掛けてきた。
「面白いこと思いついちゃったんだけど、菜奈も一緒にやらない?」
暑さで頭がぼんやりとしていた私は、凛香の話に適当に返事をする。
「へー、面白いこと?」
「毎日暑いしダルいから、なんか涼しくなるようなことがしたいなって思って」
「涼しくなるならいいかも」
「そ、れ、で、怪談とか都市伝説とか、そういうのやってみない?」
プールに行くとか、かき氷を食べるとか、涼しくなれることは他にもたくさんあるのに。
「肝試しなんてしたら怒られるよ。この前も、空き家に出入りしてた子達が近所の人に通報されて、反省文書かされたらしいよ」
「そんな、わざわざ幽霊を探しに行くなんて面倒くさいことしなくてもできるよ」
机に両手をバンっとついて立ち上がった凛香は、こちらに身を乗り出して言う。
「今、ここで都市伝説を作ればいいの」
「……作る?」
「そう、作るの!」
高校二年のこの夏、私達は偽物の都市伝説をでっちあげることにした。
ある日の昼休みのことだ。教室でお弁当を食べていた私・菜奈に、友達の凛香がある提案を持ち掛けてきた。
「面白いこと思いついちゃったんだけど、菜奈も一緒にやらない?」
暑さで頭がぼんやりとしていた私は、凛香の話に適当に返事をする。
「へー、面白いこと?」
「毎日暑いしダルいから、なんか涼しくなるようなことがしたいなって思って」
「涼しくなるならいいかも」
「そ、れ、で、怪談とか都市伝説とか、そういうのやってみない?」
プールに行くとか、かき氷を食べるとか、涼しくなれることは他にもたくさんあるのに。
「肝試しなんてしたら怒られるよ。この前も、空き家に出入りしてた子達が近所の人に通報されて、反省文書かされたらしいよ」
「そんな、わざわざ幽霊を探しに行くなんて面倒くさいことしなくてもできるよ」
机に両手をバンっとついて立ち上がった凛香は、こちらに身を乗り出して言う。
「今、ここで都市伝説を作ればいいの」
「……作る?」
「そう、作るの!」
高校二年のこの夏、私達は偽物の都市伝説をでっちあげることにした。
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