この物語はフィクションです
美桜というのは私と凛香のクラスメイトで、仲の良い友達だ。


「美桜を驚かすために、わざと高校名出したの?」


「そうそう。美桜の家、この近くだからさ」


都市伝説・狂子の記事のSNS投稿から数日後の朝。登校した私と凛香は、すぐさま美桜のもとへ向かう。


「美桜、おはよう」


「ねえねえ、面白いの見つけちゃった! 見てみて!」


「んー? 何?」


ロッカーの前にいた美桜をふたりで挟み撃ちにして逃げられないようにし、あえて明るく楽しそうに笑顔で話を続ける。


「凛香が見つけたSNSの投稿なんだけど、うちの学校のそばであった話らしいの」


「びっくりすると思うよ。とにかく、読んでみなよ」


「どれ? どんなの?」


凛香からスマホを渡された美桜は、狂子の記事に目を通していく。


――彼女は、大の怖がり。


怖い話だとわかると、美桜は頬をひくひくとさせた。


「……やだ、怖っ!」

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