この物語はフィクションです
この数日の間に、都市伝説・狂子はものすごい勢いで世間に広まっていた。


5,412いいね、2,574RT、リプもいくつか投稿されている。


「狂子を知ってる人もたくさんいるし、実際に見たって人もいるんだよ」


「うちの学校の生徒だって人もリプしてるしね」


そう言ってスマホの画面を見せようとすると、焦ったような顔をした美桜がその場を離れようとする。


「美桜、どこ行くの?」


「もうすぐホームルームが始まるよ」


「……トイレ行ってくる」


「ひとりで大丈夫?」


「トイレに狂子がいるかもしれないよ」


「そんなのいないもんっ!」


私と凛香が追いかけようとすると、美桜は走って教室を出て行ってしまった。


「あれは信じたね」


「だね」
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