きみに ひとめぼれ
僕とあいつと、坂井さん
突然すみません、園田です。
どうしてお前がこんなところに、ほんとに突然出てくるのかって?
この話の中で、お前の名前は10回も出てきてないくらい存在感薄かったぞって?
広瀬や本田よりも名前の登場回数少ないって?
……うん、そうなんだけど。
いや、それは言いすぎでしょ。
どちらにしろ、僕がいないと、この話終わらないんですよ。
別に人の恋愛の後押しをするために登場したわけではないです。
そんなキャラでもないし。
僕は最後まで目立たず、影薄く脇役のままでよかったんです。
たまに繋ぎ役というか、友人Aとして物語のヘルプぐらいの感じが僕には似合っているんです。
ちょっと名前を借りるね、ぐらいがちょうどいいんです。
でも僕だって一人の人間なので、登場した以上、僕にも物語があるわけで……。
まあとりあえず、僕の話も聞いてくださいよ。