きみに ひとめぼれ

僕は一人で部室に向かった。

着替えを済ませて部室からグラウンドに向かう途中、テニスコートからスコーンと気持ちのいいラリーの音が規則正しく聞こえてきた。


僕は思い出していた。

あのテニスコートのフェンスに、控えめにたたずむ、坂井さんの姿を。


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