きみに ひとめぼれ

坂井さんが、急に足を止めた。

あいつが先に歩いていくのを、ぼんやりと目で追っているようだった。

だけど、しばらくすると両手で顔を覆って俯いた。

なんとなく、肩が震えているような気がした。



__早速泣かすなんて、絶対許さねえぞ。




 だって彼女は、

 僕の好きな人なんだから。


< 163 / 166 >

この作品をシェア

pagetop