君のとなりで恋をします。─下─
俺は桜河の後を追うこともできずに、ただその場に立ち尽くす。
“ 諦めるつもりは無い ”なんて大口を叩いておいて、彼女に合わせる顔がない。
彼女に面と向かって謝ってもう一度話し合っても、彼女の答えは変わらないとわかっていた。
彼女はきっともう、俺を彼氏として受け入れてはくれないだろう。
それがわかっているからこそ、俺は彼女に会うのが怖いんだ。
…香純。
こんな俺でも、まだ想っていていいか?
8年越しの俺の想いが断ち切れるまでは…
そして願わくば、もう一度君の彼氏になりたい。
そんなことを願ってしまう自分勝手で情けない自分に、ため息をつくしか無かった。