君のとなりで恋をします。─下─










「…俺には、そんな力はねぇよ。」









どこか悔しそうにそう言った桜河。













「え…?」






「────…柊吾だよ。

あいつがクラスメイトの誤解を解いた。」











柊吾が……?



桜河の言葉に彼の方を見るけど、すぐに視線を逸らされた。







柊吾が…私を庇ってくれた…




それだけでうれしくて…

胸がきゅうっとなって……





きっと全員ではないだろうけど…クラスメイトの誤解は解けたんだ…。

本当によかった…。







あとは、部活…



全校生徒が見る掲示板にあの写真は張り出されていた。

もちろん、部内にもあの噂は広がっているだろう。









…だけど、大丈夫だよね?



クラスメイトよりももっと、たくさんの時間や苦楽を共にしてきた仲間なんだから…

みんななら、きっとすぐに分かってくれる。








私は、そう信じて疑わなかった。









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