君のとなりで恋をします。─下─








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体育館の入口の前で、何度も何度も大きく深呼吸をする。





桜河に何度も“今日はやめておけ”と引き止められたせいで、練習が始まるギリギリの時間になってしまった…。


いつもならみんなよりも早く着いて、準備を始めているのに…






ドキドキうるさい胸をぎゅっと押さえる。













「ふぅ…」








そしてもう一度大きく深呼吸をしてから、体育館入口のドアに手を掛けた。












「こんにちはー!」








できるだけいつもと変わらない態度で、元気よく挨拶をする。




しかし…



いつもならここでみんなから返ってくるはずの挨拶も、今日は返ってこない。








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