君のとなりで恋をします。─下─
「…柊吾に二股かけておいて、よくノコノコと部活来れたよなー。」
「まじで図々しい女…」
上川のデータが紛失した時に、私を責めた先輩たちだ。
その先輩たちの言葉を機に、他の部員たちも遠慮気味に口を開き出す。
「しかも…もう一人は市原哲平だろ?」
「え!まじで!?
聖陵のスパイなんじゃん?」
このチームは、良くも悪くもチームワークが良い。
試合以外でも大いに発揮されるチームワーク。
今まで、それに救われたことも多々あった。
…だけど今は……
部員全員から向けられる厳しい視線に耐えられなくて、下を向いたその時…
私に影がかぶさったのが分かった。